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フクロウくんのポンコツ的生活
musisasare.exblog.jp
春の休日はこういうことしてます。
2006年 03月 10日 |
取り込みが不十分なので変な写真ですが。
青森県白神山地のクマゲラです。
春の休日はこういうことしてます。_e0029553_010977.jpg

このクマゲラはオスの親鳥です。ちょうどヒナがいる巣穴から飛び立つ瞬間。
クマゲラに限らず、子育ての時期は、鳥って生き生きしてる。
スズメだってそう。羽ばたきの躍動感が、それ以外の時期とはホントに違う。
僕は、そういうところに感動する。

クマゲラ観察を通じて、子育て時期に起こった、こんな実話がある。
6月のある日、いつものように日中1時間から2時間置きに抱卵交代をしながら、ヒナのいる巣穴を行ったり来たりの行動パターンを僕たちは観察していた。
(残念ながら、その日、僕はいなかった。便宜的に「僕たち」と記載します。)
夕方に近くなった午後、通常の時間よりももっと早く、巣穴から飛び立ったばかりのメスのクマゲラが巣穴に戻ってきた。
「あれ、おかしいね?」
いつもと違う行動パターンに、そこにいた調査員は首をかしげた。。
メスが巣穴に入るや否や、それまで中でヒナと一緒にいたお父さんクマゲラが一直線に巣穴から飛び出した。
その飛び立った先にいたのは、なんとクマタカだった。
ヒナの餌(餌は蟻 枯木に巣を作っている蟻をクマゲラは嘴でつついて採餌する)を捕りにメスは巣穴を出たのはいいけど、クマタカとばったり出くわしてしまったらしい。そして大急ぎで巣穴へ逃げ帰ってきた時に、一緒にクマタカも付いてきた。

そのときのオスのクマゲラは圧巻だった。
自分より5倍も大きい相手に正面から体当たりした。
クマタカの足の爪がクマゲラの胸をかすめた。
胸毛がパラリと宙に舞った。

それでも、クマゲラは怯まなかった。自分がおとりになってクマタカを巣穴から遠くへ引き離した。普段は聞いたことも無いような、翼の躍動音と興奮の雄たけびを残して、営巣地からは見えなくなった。

そのときの調査員たちは、呆気にとられた。なかにはお父さんクマゲラの勇敢さに感極まって涙を流しているものもいた。
日が暮れるまで、クマゲラの帰還を待った。



・・・そして、日没直前。
そのクマゲラは、帰って来た(^^)!!
お母さんクマゲラも巣穴から出てきてお迎えした。
僕たちは安心して山を降りた。

こういうことがあるから、春のクマゲラ調査は面白いんだ。
そして、この躍動に満ちたクマゲラの子育てを今年も観察に出かける。
今年はどんなことが起こるのか?
絶滅寸前まで個体数が減っている現状だけれど、きっと良い未来があるはず。
このブログでも、ひっそりと、紹介していきたい(^^)。
春の休日はこういうことしてます。_e0029553_0514520.jpg

(白神山地のクマゲラステッカー。写真よりこっちの方が雰囲気出てるなぁ。。)
by bigbirdman | 2006-03-10 00:10 | 鳥について |